大谷孝司さんがアイガモ農法を取り入れ、完全無農薬、無化学肥料に取り組んでから、13年になりました。
食の安全・地球環境の配慮から自然農法を取り入れる事を考えたのはさらに5年以上前に遡りますが、周囲の理解や周りの田んぼの環境など、アイガモ農法に切り替えるまでに準備期間が必要でした。無農薬栽培の難しいところはやはり、苗や稲の病気、「苗半作」といって苗でその年の収穫の半分が決まると言われていますから、苗を育てる時期の病気にはもっとも神経を使うところです。
温湯消毒と焼土による苗づくり
苗の病気には「ばか苗病」「立ち枯れ病」という病気があり、この病気を防ぐ為に薬を使って種子消毒をする農家さんもありますが、大谷さんはこの病気を防ぐ為に種籾を温かいお湯に暫らく浸けて温湯消毒をしています。
温湯消毒後、その種籾を発芽させて苗を育てていくわけですが、土には雑草を防ぐ為に焼土(山の赤土やクロボク土を焼いて殺菌したもの)を使っています。この土を使うことによって雑草の生え方が全然違ってくるということです。あとは、水の管理、温度、換気の管理をこまめに一日に何度も見回っては苗の成長具合を確かめます。
田んぼの土作りには有機肥料を使い、やわらかい土作りを心掛けています。庄内地方の田植えは5月15日頃に始まります。アイガモの登場は大体6月1日頃から!
アイガモの活躍はわずか1ヶ月半
アイガモは害虫を食べたり、雑草駆除を行って稲の生長を助けてくれます。
30アールの田んぼに約30羽のアイガモをいれて、約1ヵ月半の間害虫雑草駆除に活躍してもらいます。アイガモが働かない時は自ら田んぼに入って雑草取りをしています。
アイガモを田んぼに入れる時期によっては、アイガモの働きが悪い時があり、なかなか雑草駆除をしてくれない時もあります。その時は自ら田んぼに入り、1本1本雑草を抜いていくと言うお話。あくまでも完全無農薬にこだわり、手間暇は惜しみません。 |