Q1:お米にはどんな栄養があるの? |
Q2:お米はいつから食べているの? |
Q3:お米の名前にひらがなとカタカナがあるのはなぜ? |
Q4:有機栽培(ゆうきさいばい)って何? |
Q5:日本のおお米って本当に安全なの? |
―ごはんに関して― |
Q6:お米を研ぎながら、これでいいのか不安になることがあるのですが |
Q7:炊飯器任せでも、失敗して芯が気になることがありますが。 |
Q8:おにぎりが大好きです。美味しい作り方や、地方によっての形の違いはあるのでしょうか。 |
Q9:美味しいご飯のコツはありますか。 |
Q10:お米中心の日本の食事は世界一といいますが、ホントですか。 |
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Q1:お米にはどんな栄養があるの? |
A:お米は、コムギ、トウモロコシと共に世界の主要な穀類である。私たち日本人の主食は米であり、炭水化物の貴重な供給源となっています。
米にはどんな栄養価があるのか。またコムギやトウモロコシとはどう違うのだろうか。お米の栄養価の特徴は、効率のよいエネルギー源となる炭水化物が多く含まれていることです。またコムギやトウモロコシなど他の穀類と比べ、たんぱく質を構成するアミノ酸の組成がよいこともあげられます。(Q10参照) |
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Q2:お米はいつから食べているの? |
A:毎日たべているご飯だけど、米食が日本中に広がるまでには長い歴史があったのです。第二次世界大戦までは、米2〜3割に、麦・ひえ・あわなどの雑穀をまぜたご飯がふつうでした。
そのほか、そば・いも・とうもろこし・大根・豆類なども主要な食料でした。戦争中から戦後にかけてお米は大変な貴重品で、人々はイモやカボチャ、そのクキまで食べて飢えをしのぎました。
戦後世の中が落ち着くと、稲作にも力が入れられ、生産量は戦前を50%も上回るようになりました。こうしてお米はみんなの主食になったのです。 |
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Q3:お米の名前にひらがなとカタカナがあるのはなぜ? |
A:お米の名前をよく見ると「あきたこまち」のようにひらがなのものと、「コシヒカリ」のようにカタカナのものがあります。これは、品種をどこで開発したかによって、書き方を変えているからです。
県の農業試験場で独自に開発育種した品種はひらがな、国または国が指定した試験場で開発した品種はカタカナとなっています。
ところが最近この決まりが変わってきました。その第1号は「ひとめぼれ」です。これは国の指定試験場になっている宮城県古川農業試験場で開発された品種なので、本来ならカタカナのはず。しかし、ネーミングがとても重要な時代に規制があるのはおかしい、ということから自由に名前をつけられるようになったのです。 |
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Q4:有機栽培(ゆうきさいばい)って何? |
A:日本の経済の成長にあわせて、農業も大型の農業機械や農薬をたくさん使うようになりました。農薬をたくさん使うことは、農民や消費者の健康をそこねることになります。
そこで、農業のなかに自然をとりもどそうという動きが出てきました。たとえば、土に対してできるだけ化学肥料を混ぜないようにして、有機物(自然の肥料など)を使うといったことです。
このような有機的な栽培方法で「安全な食べ物」をつくることを、有機栽培といっています。 |
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Q5:日本のおお米って本当に安全なの? |
A:精米の表示は、消費者がお米を購入するときの判断材料として、必要な情報(産地・品種・産年)を提供するものです。その表示の基礎となるのが、全国で統一された規格により行われる農産物検査です。
農産物検査については、平成13年度からその実施主体を国(食糧事務所)から民間機関(農協、財団法人日本穀物検定協会 等)に移行していますが、今までどおり、生産者と消費者を結ぶ信頼関係を支える制度として運営しています。
農薬はお米を病気や害虫から守り、毎年安定した収穫をあげるためのサポーターです。ただし、農薬には人体に有害な成分を含むものもあるので、厳格な審査に合格したもののみを登録し、かつ、使用する場合の量、時期、濃度、回数が細かく決められています。
この使用基準を守る限り、食品衛生法の残留基準を超える心配はありませんが、食糧庁ではさらに、農家段階での使用状況を点検するとともに、流通段階にあるお米の残留農薬等も分析し、安全性の確認を行っています。 |
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―ごはんに関して― |
Q6:お米を研ぎながら、これでいいのか不安になることがあるのですが |
A:お米の研ぎ方でいちばん大切なことは、すすぎを手早くすることです。一方向に一気に指先を立てて研ぐのがコツです。
- はじめに汲みおきの水を用意します。その水を一気に流し込んでかき回して捨てます。2回目の水も同様にして流し込み、手早くかき回して洗い流します。
- 2回洗い流した後、水気を切ったお米を12〜15回くらいかき回して、水を4〜5回取り替えて流します。そのつど汲みおきの水を用意するのが望ましく、いつまでも研いでいるとお米が割れるだけでなく、水をどんどん吸ってしまい、お米の表面が溶け出して食味を落とすこととなります。
お米は匂いを吸収する性質がありますので、最初のひとかきを10秒くらいで捨て切れば、ぬか臭さがつくのを防ぐことができます。
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Q7:炊飯器任せでも、失敗して芯が気になることがありますが。 |
A:いつものように炊いたはずのごはんでも、炊きあがってみると芯ができていることがあります。これには、以下の原因が考えられます。
〈ごはんに芯が残る原因〉
- 水加減の間違い
- 古いお米を使った場合
- 蓋の圧力が足りない
- 炊飯器の蓋がしっかり閉まっていなかった場合
〈ごはんに芯が残った際の応急手当の方法〉
- 菜箸の太い所を使い、ごはんの底まで3〜4カ所の穴を開けます。
- 次に、お酒(米3カップに対し大さじ1杯くらい)
、またはお湯(同、カップ1杯くらい)をごはん全体にふりかけ、また穴の中にも注ぎます。
- 炊き立てなら
→蓋を再びしっか閉めて、10〜15分蒸らします。
- 少し冷めていたら
→もう一度スイッチを入れます。
- 夜炊いたものなら
→保温スイッチで一晩置くと翌朝には普通に食べられます。
水加減を失敗してベタベタになってしまったら、再び固くすることは不可能です。特に、新米は水分が多いので注意が必要です。
〈ベタベタごはんの応急手当の方法〉
- 一度洗って、おじやか雑炊にする以外、活用法はありません。
- 洗ってぬめりを落とせば、どろりとするのを防げます。
- また、煮すぎると、煮崩れて、おもゆ状になってしまうので、手早く作るようにして下さい。
さて、うれしい失敗がおこげです。今のフッ素加工された内釜では、本物のおこげはできません。香ばしいおこげが食べたい方には、次の方法をおすすめします。土鍋のおこげもまた格別ですよ。
〈おこげごはんの作り方〉
- 鍋でごはんを炊き、火を止めるタイミングを2分ほどずらします。
パチパチと言い始めたら火を止めて、余熱で蒸らします。
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Q8:おにぎりが大好きです。美味しい作り方や、地方によっての形の違いはあるのでしょうか。 |
A:ごはんを手で握り、各種の形をつくり、主に携帯食・軽食に用いられるもので、ハイキングその他のおべんとうに欠かせない定番です。
〈名称〉
- 別名「おむすび」とも呼ばれています。
- 昔は、「屯食(とんじき)」とも呼ばれていました。
〈歴史〉
- 古くは、平安時代に貴族達の宴会があった折、屋敷で働く人達への振るまいとして用いられました。
〈地域性〉
- 掌(てのひら)に塩水をつけて握るのが普通の方法で、昔は形にも地方性が見られました。
関西…俵形につくって、黒ゴマをまぶしたものが主流でした。
関東…円形や三角形をつくり、黒ゴマは用いません。
- 現在では、このような地域差はあまり見られません。
- 関西の俵型のものが、後には木型で押し抜き、いわゆる幕の内弁当
に変化したと伝えられています。
幕の内は、江戸時代、劇場で幕間での食事に用いられたことから、ついた名前です。
〈楽しみ方〉
- 適度な塩味に加え、ごはんとは違った歯ごたえがあります。
- 冷たくなっても1粒ずつがパラパラと乾燥された状態になりません。
- 形で変化をつけたり、中に梅干し・塩鮭・たらこ・かつおぶし・昆布などを入れ、さらに周りに海苔や薄焼き卵で巻いたり、ゴマをのせたりと様々な組み合わせを楽しめます。
〈おいしいおにぎりの作り方〉
- ごはんは少し堅めの熱い炊き立てごはんを、片手に塩もしくは塩水をつけて適量をとって軽く握り、具を中心に入れて、形が崩れない程度の堅さに両手で握ります。
- ラップを使うとごはんが痛みにくく、熱い炊き立てのごはんでも上手に握れます。
夏には、酢水(水カップ2に酢大さじ2)で握ることにより、ごはんの痛みを防ぐことができます。
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Q9:美味しいご飯のコツはありますか。 |
A:
- お米の研ぎ方のポイントは汲みおきの水で、ぬか臭さを吸収させないように手早く洗い、ゴシゴシと研がないようにします。
- お米に水が十分しみ込むまでに、冬季で1〜2時間、夏季だと30分くらいかかります。洗った後、どんなに急いでいても30分から1時間はそのまま水につけておきます。
- 水加減の基本は炊飯器の目盛ですが、新米と古米、食べる人の好みによって適宜調節します。通常は米1に対して水
1.2倍、新米の場合は 1.1倍、古米だと1.2〜1.3倍が目安です。
炊飯器のスイッチが切れたときは、まだごはんの芯の部分は煮えていません。「蒸らし」という工程を経てごはん炊きが完了します。蒸らしの時間はいろいろいわれていますが、大体10〜15分程度が一般的です。
蒸らし上がったら、熱いうちにしゃもじで底からかき混ぜます。 |
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Q10:お米中心の日本の食事は世界一といいますが、ホントですか。 |
A:タンパク質の栄養価を数値で表す方法の一つに、アミノ酸スコアとよばれるものがあります。理想となるアミノ酸組成の数値を基準に、これと比較して求められます。
9種類の必須アミノ酸の含量が理想的な必須アミノ酸組成と同じか、それ以上であれば、その食品のアミノ酸スコアは100となります。たとえば、卵(鶏卵)、肉類、魚介類、牛乳など、動物性食品のほとんどは、必須アミノ酸の含量が理想的数値より高いためアミノ酸スコアは100となる。
しかし、必須アミノ酸のうち一つでも含量の低いものがあると、そのほかの必須アミノ酸の利用は制限されてしまうため、アミノ酸スコアは100より低くなる。
世界の主食である穀類は全般的にリジンの含量が低いためアミノ酸スコアが低くなっているという。たとえば、小麦粉(薄力粉)は44、アワ35、トウモロコシを原料としたコーンフレークは16、ハトムギは29。そして白米は穀類の中では高く65となっています。
お米は穀類の中でもリジンの含量が高いほうですから、コムギやトウモロコシなどよりもタンパク質の質がよいのです。したがって、米は良質なタンパク質の供給源としても重要です。ミネラルについては、マグネシウムが多く含まれています。マグネシウムは呼吸器系の酵素に働くミネラルで、不足すると心臓病になりやすくなります。
日本の伝統食お米とダイズが最高のバランスを生み出しているといえます。
昔の人々は偉いですね。米のリジン不足を補うためには、リジンが多く含まれているダイズを一緒に摂るとよい事を生活の知恵として知っていました。
日本食の定番メニューであるご飯に味噌汁、あるいは納豆や豆腐などという食べ合わせは、栄養学的にみて理にかなっていて世界に誇れる食習慣といえるのです。 |